昨夜は、ZOOMではありましたが、30名以上の方の前で私の政策と四年間の区政報告をさせて頂きました。
15分程度と限られた時間でしたので、先日、3.11から12年目を迎えたこともあり防災を主にお話をさせて頂きました。
防災というと、基本的には震災への備えということが最初に考えられますが、防災には水災害対策もあります。令和元年、台風19号が上陸し大田区でも床上浸水などの被害が発生しました。当時、SNSなどを使い、100人以上の方から水災害への対応の大田区の課題を声としていただきました。
一つ目は、避難所の不足です。当時、大田区では多摩川が越水した時に学校避難所を水の影響を受けることから、多摩川に比較的近い場所にある学校は避難所の指定から外していました。そうしたことにより当時、雨風強い中、学校避難所に向かっても、追い返されてしまうといった事例が発生しました。そうした声を多数頂き、当時私は区議会の防災安全対策特別委員長であったことから、各委員の声を取りまとめ、大田区に区民の声を届け、結果として水災害時の学校避難所の指定を拡大し、これまで水災害の影響があるとして、解放することができなかった学校も、2階以上を活用するなど、ほとんどの学校を避難所として指定することができました。
二つ目は、情報伝達の問題です。皆さんもご存じの通り、色々な区の緊急的な情報を流すために活用されている防災行政無線。残念ながら、昨今、建物の防音性の向上、また高層化による音の反響、また雨風が強い時は音がかき消されてしまうといったお声を多数いただきました。そうしたことを受け、防災行政無線の音を、電話でも聞くことができるサービス、大田区の安心安全メールでの配信、また、防災や災害対応の情報をリアルタイムで見ることができる防災アプリ、防災ポータルサイトの整備を行い、現在は、防災行政無線に頼らずとも、区民の皆さんが情報を受け取ることができる環境を整備しました。しかしながら、ここで忘れてはならないのが、デジタルツールを活用できない方々への対応です。昨今、詳しい情報はHPでなど、デジタルツールを使いこなせる方を対象として、便利なサービスが提供されるようになっています。本来、災害に一番情報を必要している方々はデジタルツールを使いこなすことが難しい年代の方々です。私は「災害時の情報発信に、地域限定のラジオを使うことができないか」ということを区議会で提案させて頂きました。ラジオであれば高齢者も使える、リアルタイムで防災行政無線の情報を流すことができるし、電源が確保できなくても、手回しのラジオも使える。もちろん、大田区にラジオ局を整備するとなると、平時の活用が課題となるわけですが、地域のローカル情報を発信するツールとしても良いのではないかと考えました。残念ながら、費用的な問題もありまだ実現には至っていませんが、次期挑戦への公約とさせて頂き、実現をしていきたいと考えています。
三つ目は、ペットを飼っている方への対応です。台風19号が上陸した際、各学校避難所によって、ペットを受け入れる避難所と、受け入れを拒否する避難所がありました。ペットは、飼われている方にとっては大切な家族。家族を置いて避難をすることはできません。実際、浸水リスクのある地域にお住まいの方の中にも、ペットを受け入れてもらえないからと、非難することを諦めた方もいらっしゃいました。こうした声をお聞きし、学校避難所におけるペットの受け入れ態勢の整備を進めました。アレルギーなどの問題もあり、なかなか室内で一緒に過ごせる環境を確保することは難しいのですが、雨風しのげる環境に、ペットの預かりスペースを各学校で整備を進め、余裕がある学校では共に過ごせる環境の整備も進めています。また、獣医師会の皆様にも協力頂き、巡回型ではありますが、ペットの健康相談を行うことができる体制も整備しています。また、ペットの同行避難については、飼い主の皆様の協力も必要です。動物病院や区のHPに、ペットを飼われている方の、災害時の行動マニュアルを設置し、ペットを飼われている方々にもご協力いただける環境を整備しました。
そして四つ目が、福祉支援の拡充です。私も現在、ケアマネジャーや社会福祉士としても仕事をしていますが、いざ災害が起こった際には、柔道整復師として、災害児医療職ボランテイアの役割を担います。大田区では、大規模の震災が発生した際、区内19ヶ所の医療機関及び拠点校に緊急医療救護所を設置します。六郷には大きな医療機関がありませんので、六郷中学校の校庭に軽傷者救護所が設置され、私もそちらで活動することになります。こうした形で、災害時の医療は体制としてかなり強化がなされているのですが、実は福祉という点ではまだまだ課題もあります。実際、東日本大震災が発生した際に、学校避難所で長い期間避難生活を送った結果、身体機能の低下や、精神的な負担の増加から、介護の需要が大きく増加をしたと言われています。実際、適切なケアを受けられず、亡くなった方もいらっしゃいます。私は区議会で、元々、福祉的な支援が必要で福祉避難所で過ごす方だけでなく、一般の学校避難所での福祉的支援のあり方も考えるべきだという点について問題提起を行いました。まずは巡回型でも良いので、社会福祉士や精神保健福祉士、介護福祉士などがチームで要援護者への支援を行う体制を作ることにより、長期の避難生活を支えられる体制づくりを求めています。震災が長引けば長引くほど必要となってくるのは、医療ではなく、福祉です。まだ具体的な実現には至っていませんが、こうした視点も次期公約の中に入れていきたいと考えています。
今回の報告の大まかな内容は、以上の通りです。
終了後、数名からお褒めの言葉を頂き、この四年間頑張ってきて良かったなと改めて感じました。
2人でも3人でも、必要であれば区政報告や政策の説明に伺います。
ぜひ、お声がけください!